Marketing Design Review

マーケットに
企てを仕掛ける
有機的デザイン手法
の研究

MDR-3

顧客の進化にマーケティングデザインはどうこたえられるか。

デザインという言葉は、一般的に意匠とか装飾といったよな意味で使われる事が多い。マーケティングにとってきわめて重要なファクターであり重要な意味が隠されている。

デザインとは、ある明解な意図・意志のもとに行われる人々と環境との新しい理解の仕組みづくりである。明確な意思・意図のもとに集められた情報を編集することを通じ、現状にない環境の本質的意味・状況を生み出し、それを理解させるために新しい表現手段を創作する行為である。平たく言えば、モノと状況の新しい関係づくりと言える。いってしまえば簡単だがこれがなかなかむずかしい。

よくある商品開発に携わるとき、よくあるパターンが「これは絶対売れること間違いなし」との信念のもとモノとしての品質や機能の充実ばかりに集中して、はたと試作ができあがったときにはもう量販体制がしかれていることの危惧が大変多い。

つまり、もともとサービスが自分達の生活にどのような特典や楽しみを与えてくれるのかは皆目検討もされていないし、誰の『目に』もふれないまま市場へとでていくことが大変多い。なぜそうなるのか。

作ることは楽しい。形にするのは誰もが工作をしているのと同様、アイデアの積み重ねで思いが前に出た形態となる。モノと自分達の生活との接点をすっかり忘れてしまったプロトタイプの製品化のようなものでしかない。

デザインとは想像力を要する行為である。想像力とは、目的とする対象環境との関係をはっきりつかむ力と、そこからまだ見えない新たな状況を生み出す力である。個の技術に比べておくれている場の技術:マーケティングの因数分解「消費者をよく研究しろ」と言われることがよくある。

しかしそれは単に、消費者の嗜好や食生活スタイルを研究しろというのではない。そんなことをやっていたらきりがない。べつに企業は消費者の研究を商売にしているわけではない。ましてや「生活者の研究」なんてレベルになるとわけがわからなくなる。消費者の研究が目的ではなく「消費者を通じることによって、自分の商品をよく研究する」ことが目的だということが大切である。

そのためには最初に、自社の商品をよく購入してくれている顧客を通じて、商品の研究が徹底的に行われるべきである。マーケティングには消費者オリエンテッドという言葉があるが、決して消費者に迎合して商品を市場導入するのではない。消費者、更には顧客を通じて、自社商品や企業のあり方をよく研究し、消費者・顧客が<ハッと>するような、提案・機能を盛り込んだ商品を市場に導入することによって、初めて感動あるマーケット創造が可能になる。

顧客と言う概念。生物の進化をあらわすのに「進化の樹系図」が描かれる。技術開発を表すのにも同じ「技術の樹系図」がよく描かれる。こうした発想を、商品開発は事業開発にしっかり持ち込む必要がある。マーケティングにアイデンティティを持たせるためには変化を前提にした、変わらない何かを持つ必要がある。

それが変わらないものとしての商品コンセプト:価値であり、変わるものとしての商品機能である。そして、進化の原動力は、顧客のニーズの進化と、製品技術、経営技術、マーケティング技術の進化の相互作用から生まれる。商品のコンセプトとは、消費者に提供する価値に哲学であり、変わるものと変わらないものがある。

しない、したくない、できない。から、する、したい、できる環境への誘いが求められる。それを実現してくれる商品・サービス・技術の開発が不可欠となる時代になってきている。顧客の進化にマーケティングデザインはどうこたえられるか、デザインの技術革新が望まれる。

フッターイメージ