Marketing Design Review

マーケットに
企てを仕掛ける
有機的デザイン手法
の研究

MDR-2

利益の源泉を探る、ブランド・マネージメント再考。

この不況といわれる時代に、業態を問わず小さな事業規模であっても独自商品や独自技術、独自サービスを通じてブランド力を高めながら躍進している事業体を多方面で見受けられます。

そのことをひるがえれば、自社の強みを徹底的に絞り込んだ経営戦略を押し進めていることの表れと言えます。特に注目されるのは、顧客の視点から事業分野を特定した展開を組み立てていることです。つまり、顧客から見えるカタチにして、ビジネススタイルを構築しマーケットを創出していくことと、独自マネージメントを明確にした戦略を両輪としています。

ブランドの語源をひも解くと、牛の所有者が焼印を押して自分の所有する牛と他人の所有する牛を区別する為手段として使われたことに由来しており、中世の陶工が自分達の作品にサインやマークを入れ製造者や産地を他人のものから区別する手段に用いられてきたものです。

ブランドは、顧客が欲しいものを確実に見分けられる出所を明らかにすることにより競争相手から際立たせ、独占性を高めることを目的としていました。現在では、CIのように商標化されたビジアルシステムが体系化されるようになってきていますが、独自ブランドをより強固にするため事業方針と連動させた仕組みづくりが現れてきています。

商品・技術そのものから、事業体全体を統括するものや、人格やサービスまでがブランド化されてきています。それは商品・技術の付加価値を高めだけでなく、事業資産としての価値も高めていくこととなってきているからです。そのための投資も、単に企業イメージ戦略だけに位置付けるのではなく、利益の源泉を常に顧客を中心に置くことで、研究開発や営業体制、流通の経路からIRまで貫かれた事業のありかたが問われる時代となっています。

ブランディングを企業の中心に据える企業ブランド構築の基点は、顧客指向が貫かれたものであるといえます。常に顧客を中心に事業展開を組み立てていくマーケティング発想とリンクしています。

自社を起点とした今までのコミュニケーション活動よりも、ブランドに投資するほうが長期的なリターンが大きいという考え方が出てきています。顧客を起点に考えるということはマーケティングの考え方そのものであり、ブランドを事業経営の求心力に組替えると究極の顧客指向を社内にもたらします。

強いブランドには経営トップも部門も従業員もすべて顧客からの求心力が増大していきます。関連業界やひいては社会環境そのものにも吸引力をもつこととなります。

ブランド戦略を展開する上では、規定されたブランド価値を社内で徹底して共有し、価格、製品、流通、コミュニケーションなどのあらゆるマーケティング活動のなかで一貫して実現していくことが重要です。

ブランド構築はコミュニケーション領域を超えて、企業側とあらゆる顧客接点を常につなぎとめていく手法であることを改めて認識する必要があります。それは体験し、実感できる商品や技術といったものから、店舗やショールームといったブランド体験の場所では、特にブランド価値を深めていく要素開発が極めて大切な役割を果たしていきます。

ブランド形成を担う、今後のVIシステムの目指すもの。

顧客は、生活の中で接触するさまざまな視覚的要素から、ブランドに対する知覚やイメージを形成し蓄積していきます。ブランドに対する知覚やイメージを形成する視覚的要素には、長期的に一貫性を持たせる役割を担うVIシステムが有効です。それは、顧客に目に見えるカタチを具現化することにあります。 VIシステムは、ブランドを視覚的に象徴する基本シンボルデザインを規定し、事業展開上さまざまな場面でどのように展開していくべきかを定めたブランドマネージメントの一翼を担います。今後の企業ブランド形成に一貫した実感・体感の基盤となるものです。

そこには、顧客とのもっと強い絆づくりを目指して、機能面はもとより五感にまで至る感覚的な価値創造の仕組みが求められます。

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